EP.1 入学式

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こいつはクエストをなんだと思ってるんだろうか… 相手は仮にもモンスターな訳だし、それを相手にするという事は、少なからず命のやりとりがある訳だ 万が一、という事を考えてないのだろうか… まぁ、楽観的なのは別に悪い事じゃない その方が気が楽だし、最悪の事態を考えずに済む 街を出て、草原を抜けて行く間、こいつはずっとむっすりしていた 相当さっきの事が気に障ったらしい たかがお菓子くらいでこんな…、相当わがままなのか? 「なぁ、そろそろ機嫌直せよ。戻ったらその金使って買えば良いだろ」 「え?、あ、うん」 「?、どうした?」 「う、ううん、何でもないよ」 「…変な奴。森に入るぞ」 「うん」 なんだ?、怒ってたんじゃ無いのか? 疑問に思いつつも、なかなか踏み込めずに森に入った 相変わらずの原生林で、様々な樹木が生い茂っている ついでに、鳥や小動物などのさえずり、動き、ざわめき それらがそこら中から聞こえる とりあえず、川辺だな 適当に歩を進めると、見なれない傷が多々樹木についていた 確かにカタゴラスは縄張り意識がある。しかしこんなマーキングは見た事が無い しかもこの大きさはカタゴラスの爪とは比にならない もしかしたら、大型が居るのかも… 警戒しておかないと… さっきより慎重になった俺に気づいたテスラが、隣に並んだ そして___ 「(ふー…)」 ゾクゾクゾクゾクーッ!! み、耳!、耳に息がっ! 「(ば、バカやろう!!、何しやがる!)」 「(い、いや、体が硬いかなぁーと思って)」 「…(もっとやり方を考えろよ)」 未だに寒気が走る体をさすって、再び周囲に警戒を向ける ………ヤヴァイ…、危険だ…! 「(伏せろ…!)」 「うにぁ…!」 テスラの頭を押さえつけて更に気配を探る 音が消えた… 近くにヤヴァイ奴が来てる…! ズズン……… …ャァァアアアッ!! 「(ッ!)」 やっと周囲の状態に気づいたテスラが地面から顔を上げる 顔の汚れを払ってから、音のした方向に耳をそばだてる さっきの悲鳴はカタゴラスの声だ… とすれば、絶対に俺たちが敵わない相手がいるって事だ 早く逃げないと…! 「(テスラ!、逃げるぞ!)」 「………、あ、う、うん。でも、もう遅いみたい」 「(何言って…!)」 …グルルルルル………! 唸り声はすぐそこにあった
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