EP.1 入学式

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「いつの間にか、学校もでかくなったもんだな」 「もう10年たったからね。色んな人達が勉強するために、大きくしてるんでしょ?」 隣のアスカが朗らかに笑む 光林 明日華(ひかりばやし あすか) マイワイフです とりあえず俺たちは、娘のテスラの入学式を拝むために、大ホールの後ろ側の席に座っている 前の方には、お喋りをしたり、既に睡眠態勢の学生たちがわんさか居た。 そのわんさか居る学生の父母が、同じかそれ以上集まっている 隣に座っているおっさんも、この学生の中の一人の親なのだろう なんかチラチラこっち見てるけどな まぁ、仕方無いっちゃあ仕方無いけど 今俺はタキシードとかの礼服ではなく、騎士団団長服をまとっている じつはこの後仕事が入っていて、家に帰る暇が無いのだ お祝いは既に渡してあるから大丈夫だと思う でも俺としては、昼飯くらい一緒に食べたかったのだが… まぁ、団長という職業柄、そういう甘えは許されない。 とはいえ、俺の騎士団には俺と、副団長兼この学校の戦闘講師を務める土井 大地のみ。 でも団長だから関係無いのだ。 騎士団については後で説明しよう。 『それでは、入学式を始めたいと思います。静かにして下さい』 アナウンスが流れる それと同時に少しだけ、ホールのざわめきが消えた 『まずは、開式の言葉。教頭先生、お願いします』 壇上に初老の紳士が立った バッカルさんだ 彼はこの国、ツェガンのギルドマスターも勤めている。 『これより、入学式を始めます』 『礼』 一斉に礼をする俺たち バッカルさんは壇上から下りると、すたすたと歩いてどこかに行ってしまう 彼も忙しいからな。これから仕事でもあるんだろう
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