町、帝に会うために

3/12
前へ
/50ページ
次へ
挨拶をした後最初に声をかけて来た男の人に 「今日は帝様の元に行くのかい?」 と聞かれたので 「えぇ、マレビトが来たことを伝えようと思って、」 と返すと周りがざわざわし始めた。 口々にみんな 「マレビト」 「マレビトが」 「マレビトか」 「マレビトだ」 とリナリ君を凝視している。 「では私は行きますので…さぁ、行こ?リナリ君」 居心地悪そうにしているリナリ君の手を引き歩き出す。 ざわめきは続いていた。 「みんな見てた。」 「珍しいからね。 それに可愛いし」 女の私より可愛いなんて詐欺だと思う。 いい客引きパンダだもの君… そう思ったが口には出さなかった。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加