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これは私が小学生の頃の体験談です。
私はバス通学。
この日もいつもの様にバスに揺られていた。
その日は生憎の雨でいつもよりも乗客が多かった。
秋と言うこともあり乗った時はまだ薄暗いながらも外の景色がはっきり見えていた。
だが、走っている内にすっかり暗くなっていた。
最初は混み合っていた車内も、気が付けばまばらになっていた。
窓側の席に座っていた私は、車内の風景をぼんやり眺めていた。
初老まではいかないけれど、小学生の私からすれば十分年配の部類に入る女性。
セーラー服のお姉さんに、学ランのお兄さん。
部活帰りなのだろう、ジャージ姿のまま座席に座っているお兄さんと、部活仲間なのか単なる友達なのかはわからないけれど座っているお兄さんの座席の脇に立ち、数人で談笑しているのが目に入っていた。
今日は人が多いな…
何となくそう思っていた私は、車内を眺めながら違和感を覚えた。
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