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あれ…?
何か変じゃない?
そう思って車内を見渡す。
さっき見ていた車内の光景と今の光景を頭の中で見比べる。
やっぱり変だ…
さっきはいなかったはずの人がいる!
私が違和感を覚えたのは、スーツを着た男性。
グレーの生地に細くストライプの模様が入っているのが私の場所からでもわかった。
その男性はセーラー服のお姉さんの座っている座席の脇に立っていて、窓の方を向いてるけど…
何故かうつ向きかげん。
バスはそれなりに揺れる。
混んでるならまだしも、大分空いた車内。
つり革も沢山空いているし、座席がない訳じゃない。
普通なら空いた座席に座るんじゃないかな?と子供ながらも思った。
不思議に思いながら、何となく窓を眺めた。
外はすっかり日が落ちて真っ暗。
バスの中は明かりがついているため、景色が見えるはずの窓は鏡のように車内を映していた。
眺めていた私はそれに気がつき愕然とした。
だって…
その男性…
映ってない……
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