不可思議な灯り

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玄関にたどり着くまで洋間は視界に入っていて、青白くぼんやり光ったまま。 居間に行くには玄関から見える廊下を必ず通らないとならない。 だけど、誰も洋間から出てきていないし、廊下を通った者もいない。 「ただいま!」 元気良く玄関を開けて声を発し、私は靴を脱ぐなり洋間の扉を開けた。 「お姉ちゃん!」 中にいるだろう姉を呼びながら扉を開けると…誰もいない。 さっきまでの青白い光もない。 テレビももちろん付いているわけもなく、静まりかえっていた。 「あれ…?」 何でいないのだろう?と不思議に思いながら洋間の扉を閉め、居間の扉を開けると… 洋間でテレビを見ているんだろうと思っていた姉が座ってテレビを見ていた。 「お帰り~」 私を見て声をかけてくれる姉に「洋間いなかった?」と問いかけてみる。 「ずっとここにいたよ」 何でそんな事を訊くんだろう?と言う表情をしながら答える姉。 「誰も洋間行ってないの?」 「うん」 「…そっかぁ…」 そう私は答えて居間の扉を閉め、ランドセルを置きに自分の部屋へ行った。 誰もいない。 テレビも付いていない。 なのに何故青白くぼんやり光っていたのか… 見間違いではない自信はある。 確かに光っていた。 でも…何故誰もいないのに青白く光っていたのかは…今でもわからない… ~end~
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