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「――えーと、とりあえず……大丈夫みたい、ね」
彼女、目の前の女の子が落ちて来てから数分。
僕はまだ袋小路のごみ山の前にいる。
彼女の周りのごみ袋をどけまくって、なんとか脱出は出来た。
多少汚れてはいるものの、全然怪我はしていないようだ。
……ありえなくね?
あの高さから落ちて、ごみ袋がクッションになった、とかって言っても限度はあるじゃん?
けれどどこを見ても彼女には傷一つない。
擦り傷さえもだ。
僕は、ふぅ、と息を一つついてその場にあぐらを掻いた。
すると、彼女も僕の前に同じように座ってきて。
ワンピース姿であぐら掻くとパンツが――見えませんね、うん。
黒いワンピースに裸足の彼女はずっと僕を見つめていた。
名前を言ってから何も質問がない。
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