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『ハジメ様。一応、何かあった時のために私の携帯番号をお教えしておきます。それとメールアドレスも』
リンコさんにそう言われて、携帯番号とアドレスを交換したのは今朝だ。
やっぱり今時の女の子で、赤とピンクのラインストーンがいっぱいついている可愛らしいケースをつけている携帯電話で。
ちなみに僕のは黒くてケースも何もつけていない。
僕は授業中だというのに机の下でその携帯電話を握りしめていた。
歴史の授業なんて頭に入んねぇ……早く休み時間になれっての!
今の授業が始まってまだ数分だというのに、僕は貧乏揺すりをしながら、そわそわ、としている。
事の始まりは数十分前だ。
――――
一限目が終わった後の休み時間、ズボンのポケットに入れていた携帯電話が震えた。
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