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僕は弁当をひっくり返す勢いで席から立った。
僕の声に驚いているクラスメイト、そしてケイゴをよそに、教室の後ろのドアに背を持たれ、そのまま滑り座るアマノに走り寄る。
「アマノ! どうしたんだよ!」
「声でけぇって」
「ご、ごめん。だって血が」
「傷は大した事ねぇから」
手をひらひら、と振るアマノの頭からは血が流れていて、頬まで流れていて。
制服の袖は切られた後があって。
それを見た僕は気づいた。
バッグ……今、登校してきたって事は……っ。
するとアマノは僕の首に手をかけて引っ張ると、僕に、ひそり、と囁いた。
「――彼女らは平気だ。うまく逃げたならいいけど」
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