突然彼女がピンチ中!

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返事を聞かずにアマノを引っ張りながら、僕は教室を後にした。 ――――  アマノにどれだけの事があったのか。 階段をゆっくりでしか上がれず、僕はその背中を押してやって、やっとの思いで僕達は屋上へと着いた。 こんなに天気がいいのに屋上には誰一人としていなくて、いつものようにベンチに僕達は腰掛ける。 それと同時にアマノはネクタイを緩めて、天を仰ぐように背もたれにもたれかかった。 「あー……しんどかった」 「お前、何があったんだよ」  まぁ待てよ、とアマノは言うと、自分の財布から絆創膏を取り出してそれを僕に渡した。 前髪を上げて、少し切れている額を露わにする。 袖口で、ごしごし、と血を拭くと、貼ってくれ、と少し顏を下げた。 血の量に驚いていた僕だったけれど、見せてくれた傷はほんの少しで、少しだけ安心する。
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