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「サンキュ」
「他に……痛ぇとことかは?」
「ないない。走って疲れただけ。ヨーコちゃん達、足早過ぎなんだもんよ。ついていけなくってさ」
そう言ったアマノは軽く笑った。
けれど僕の顏を見てから、その笑いはフェードアウトしていく。
……笑い事じゃ、ねぇだろ?
早く詳細を聞きたくて仕方がなかった。
察したアマノは、悪い、と言うように頭を掻くと静かに話し出した。
「寝坊してふらふら登校してたらヨーコちゃんとリンゴちゃんがめっちゃ走っててさ。俺には気づかなかったみたいだけど、後ろに走ってる奴がいてすぐに把握した」
「……能力者?」
ああ、とアマノは頷いて、切られた制服の袖を僕に見せる。
五センチくらいだろうか、すぱっ、とカッターで刃物で切られたようになっていて白いシャツが覗いていた。
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