突然彼女がピンチ中!

9/28

483人が本棚に入れています
本棚に追加
/718ページ
「サンキュ」 「他に……痛ぇとことかは?」 「ないない。走って疲れただけ。ヨーコちゃん達、足早過ぎなんだもんよ。ついていけなくってさ」  そう言ったアマノは軽く笑った。 けれど僕の顏を見てから、その笑いはフェードアウトしていく。  ……笑い事じゃ、ねぇだろ?  早く詳細を聞きたくて仕方がなかった。 察したアマノは、悪い、と言うように頭を掻くと静かに話し出した。 「寝坊してふらふら登校してたらヨーコちゃんとリンゴちゃんがめっちゃ走っててさ。俺には気づかなかったみたいだけど、後ろに走ってる奴がいてすぐに把握した」 「……能力者?」  ああ、とアマノは頷いて、切られた制服の袖を僕に見せる。 五センチくらいだろうか、すぱっ、とカッターで刃物で切られたようになっていて白いシャツが覗いていた。
/718ページ

最初のコメントを投稿しよう!

483人が本棚に入れています
本棚に追加