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「……リンコさんから一回、電話きたけど……追われてるって事しか僕、わかんなくって」
「だと思って急いできたんだよ。けど、その子に見つかってさ」
それでこれ、とアマノはため息をつく。
アマノはロッカク町から学校まで走ってきたらしい。
かなり遠くて、疲れてる理由がわかった。
けれど、ばててるところ申し訳ないけど、僕はいっぱい聞きたい事があって仕方がない。
彼女の事、遭遇した超能力者の事。
アマノを怪我させたその能力の事。
そして。
「そんな心配すんなよ」
「え?」
突然、アマノは僕の頭をぐしゃぐしゃ、と撫でてきた。
「ヨーコちゃんもリンゴちゃんも強いし。俺も一応追っ払ってやったしさ」
アマノはそう言って歯を見せて笑う。
心配するはずが逆に心配される顏をしてしまったようで、僕はアマノの手を振り払った。
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