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「ハジメ様、アマノ。無事ですか?」
携帯電話の通話を切りながらリンコさんがそう言った。
僕達は、ぽかん、と口を開けたまま同時に頷く。
と、彼女が屋上の柵から降りると走ってきて、僕の隣に座ってきた。
「あーもー、すっごいしつこいからちょっとだけ戦ってきたんだー」
「えっ!? それで、どうした、の?」
僕は気を取り直して彼女に聞いた。
あっけらかんと話す彼女は全然疲れた様子もなくて。
「足止め程度に、です。私達を追っていた能力者もアニマルの能力でした」
「キャットか?」
はい、とリンコさんが言う。
「アマノッ、怪我してるじゃん!」
大丈夫大丈夫、と笑ってみせるアマノだったけれどそれでも彼女は眉を下げて心配そうにしている。
けれど喉が渇いたのか、エコバッグから一・五リットルのジュースボトルを取り出し、ごくごく、と飲み出した。
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