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ごみ山は黒い袋が積まれていて、そこに指を差していて。
僕もよく見ると、足らしきものが見えた。
肌色の足が一本、空に向かって伸びている。
裸足――って事は?
僕とお兄さん方四人は一斉に上を向いて、また下ろした。
ここはビルに囲まれた袋小路。
全員が、ぴんっ、ときて、お兄さん方は何故か僕にも微笑みを送り、一目散に走り出した。
文字に出来ないような叫び声を上げながら。
って、腰! 抜けた!
「ちょ、ちょっと待っ! 僕も連れてって……そうだ、きゅ、救急車、警察……っ!」
咄嗟に携帯電話をポケットから取り出したけど、手が震えて簡単な番号がなかなか押せない。
マジで……ちょっと、マジで!?
電話出来ないなら、とやっぱり逃げ出そうと試みるけど僕の体は全然動いてくれない。
それにどこから落ちたのかもう一度確認、と首を上げた。
上げてしまった。
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