突然彼女が落ちてきた!

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「ひっ、ひょ、わっ!?」  訳のわからない怯え声が口から洩れた。 僕は足首を離し、目をぎゅっ、と瞑り、体を硬直して耐える。  近づいたばっかりに……っ、どうしよ、どうしよ、チェリーパイ的なのとか無理だってぇ――。 「――あなた、誰?」  声が、した。 「……え?」  顏も反らしていた俺は、その声とは逆を向いたまま目を開ける。 まだごみ山の方、声の方には向けない。 「……あなた、誰?」  また同じ質問で、僕はゆっくりとその声に向いた。 「ぼ……僕は、いいい、池田……ハ、ジメ」  とりあえず名前なんかを言ってしまった。
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