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BLACK CATS
「理人ー!!」
朝から大声出すんじゃねーよ。
俺は不機嫌に振り返った。
「っんだよ?」
そこには俺が担任をしている生徒の
岸田 七海(キシダ ナナミ)が立っていた。
「朝から不機嫌で感じ悪い~」
俺の態度に不服の七海。
昨日はテストの採点を朝までやっていて寝てないんだよ。
俺は眠いと不機嫌になるの!
「何?なんか用?」
俺はHRを終えて、職員室に戻る途中。
1限に授業が入っているから
早く準備しなきゃいけないんだよね…。
用があるならさっさと済ませてくれ!
「じゃ、言うけど私、理人のこと」
えっ?
なに?
告白?
朝から告白か!?
…でも、俺、無理だから。
生徒は無理です。
そんなことをコンマ何秒という間で考えた。
「理人のこと
大っっ嫌い!!!!」
フンっと付け加えて教室に戻っていった。
はぁ?
何なんだ、あいつは?
それはまた大きな声で廊下中に響き渡った。
廊下で友達と話し合ってるやつらは
かなり驚いた様子でつっ立ってる俺と、
不機嫌そうに教室に戻っていく七海を交互に見た。
ちょい待て。
俺、生徒に“大嫌い”なんて言われたことないぞ?
しかも俺をいかに嫌ってるかを表すような大声で。
七海はめちゃくちゃ、
俺を嫌ってるってこと?
俺が何したって言うんだよ!?
なんもしてねーだろ!?
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