BLACK CATS

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徹夜でイライラしてるっていうのに、 追い打ちをかけるように“大嫌い”だと? ふざけんな。 俺は不機嫌な顔をしながら職員室に入った。 ドシン!! ガタン!!! 俺は出席名簿を職員室の自分の机に叩きつけ、 いすを引き、音を立てながら座った。 まわりの先生はビックリして肩があがったのが分かった。 「森下先生、機嫌悪いですね? 何かありました?」 俺の向い側の浅見先生がひょっこり顔を出した。 浅見先生はこの学校のマドンナ的存在らしい。 俺にはさっぱり分からないけど、 同期の佐藤先生が言っていた。 狙ってるやつが結構いるんだけど 浅見先生は俺のことが好きらしい……。 でも、全く浅見先生に興味がない。 うーん……。 俺の好みはねじ曲がってるのか? 綺麗な人だなぁとは思うよ? でもね…好きにはなれないんだな、 これが。 だから悪いけど、 期待を持たせるような態度は絶対に取らない。 そう決めた。 「いやー、昨日徹夜で採点してて寝不足で……」 ふぁ?とあくびが出た。 ついでに涙も。 「ふふっ、さっき聞きましたよ? 岸田さんに言われたこと…」 機嫌が悪い理由を知ってるなら そっとしとけよ。 「聞こえてました? 大嫌いはヒドイですよね?」 「岸田さんは真面目で良い子で成績優秀な子なのに ……そんなこと言うなんて信じられないですよね?」 確かに。 七海は学年トップ。 真面目で、遅刻なんて一度もない。 礼儀正しい良い生徒って感じなのに……。 反抗期か? キーンコーンカーンコーン 俺のイライラを刺激するような、1限の予鈴が鳴った。
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