1人が本棚に入れています
本棚に追加
「空~、お腹すいたぁ~」
とかワガママ言ってみたり。
私の苦労がわかってくれればいいかなって思う、
ホワイトデー。
「はいはい、お姫さま、少々お待ちくださいね!」
少し……いや、かなり刺がある空の言い方。
仕方ないな、ご飯は作ってあげよ。
慣れないことをして、
空も疲れてるだろうし。
「なぁ、海羅?」
お風呂場から戻ってきた空。
ホントに疲れ切った顔をしてる。
「ん?」
「あれ、どーにかならない?」
空は部屋の隅にある段ボールの箱を指差した。
「どーしようね……」
その段ボールの中には
まだ大量のチョコが入っている。
バレンタインに空が皐月さんからもらったチョコ。
チョコの前に高級と単語がつくチョコ。
冬夜さんと皐月さんの悪戯で送られてきたチョコ。
1ヵ月経った今でも、
そのチョコは減らない。
海季、修、理人の家にも大量に届き、誰も貰い相手がいなくて困っているらしい。
修くんはチョコ好きで家族全員で食べてるけど、
なかなか減らないって言っていた。
海季はバイトの人にお裾分けをしてる。
理人はバレンタインに生徒から貰ったチョコも大量にあって、これまた減らない。
だから送られてきたチョコを
ホワイトデーのお返しにあげるらしい。
最初のコメントを投稿しよう!