4月1日

10/14
前へ
/15ページ
次へ
-トントン- 「空~入るよ?」 「……あっ、はい」 空は椅子に座って、 お気に入りの建築の写真集を眺めていた。 空も写真集を見ながら携帯をいじっている。 二人とも誰かにメールしてるみたい。 喧嘩したら誰かに話聞いてほしいもんな…。 「お前なんで海羅の苺食べちゃうんだよ?」 「食べたかったから?」 「海羅が苺好きなこと知ってるだろ?」 「えっ、あ、はい」 じゃ、何で食うんだよ。 「別れたりしないよな?」 「いや?分かんないっすね」 「さっき、海羅がいなきゃ、 ダメだって言っただろ?」 海羅がキッチンに皿を取りに行っている間に 確かに言っていた。 「そーでしたっけ?」 「言っただろ?」 もう、なんなの……? 「冬夜さん、困ってる?」 「当たり前だろ?」 「ふーん」 “ふーん”じゃなくてね…。 「すごく困ってる?」 「ああ。もう、仲直りしてくれ。 頼むから」 俺は書斎を出て、リビングに戻った。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加