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-トントン-
「空~入るよ?」
「……あっ、はい」
空は椅子に座って、
お気に入りの建築の写真集を眺めていた。
空も写真集を見ながら携帯をいじっている。
二人とも誰かにメールしてるみたい。
喧嘩したら誰かに話聞いてほしいもんな…。
「お前なんで海羅の苺食べちゃうんだよ?」
「食べたかったから?」
「海羅が苺好きなこと知ってるだろ?」
「えっ、あ、はい」
じゃ、何で食うんだよ。
「別れたりしないよな?」
「いや?分かんないっすね」
「さっき、海羅がいなきゃ、
ダメだって言っただろ?」
海羅がキッチンに皿を取りに行っている間に
確かに言っていた。
「そーでしたっけ?」
「言っただろ?」
もう、なんなの……?
「冬夜さん、困ってる?」
「当たり前だろ?」
「ふーん」
“ふーん”じゃなくてね…。
「すごく困ってる?」
「ああ。もう、仲直りしてくれ。
頼むから」
俺は書斎を出て、リビングに戻った。
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