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「ただいま」
楠木は飛龍家に何年も努めている。
家のことのほとんどは楠木に任せておけば良かった。
俺たちはテーブルに座った。
俺の前には海羅。
海羅の隣には空。
「私、お皿と紅茶持ってくるね~」
海羅は立ち上がってキッチンへ向かった。
リビングでは、俺と空だけ。
空は一人で飛龍家に遊びに来たりする。
俺の書斎には空の興味をそそるような
ヨーロッパの建物の写真集がある。
それをよく見に来る。
本当
息子ができたみたいで俺は嬉しかった。
「最近、どう?」
「何がっすか?」
「海羅」
空は思い出し笑いをして、
顔がにやけている。
「最近は甘あまですね」
そんな空はすごく幸せそう。
「変わったよな、海羅も」
「ですね」
「空の勉強の方は?」
「俺は、あまり?」
「なんだよ?
留学したくなっちゃった?」
空はぎょっとして目を丸くした。
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