4月1日

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「ただいま」 楠木は飛龍家に何年も努めている。 家のことのほとんどは楠木に任せておけば良かった。 俺たちはテーブルに座った。 俺の前には海羅。 海羅の隣には空。 「私、お皿と紅茶持ってくるね~」 海羅は立ち上がってキッチンへ向かった。 リビングでは、俺と空だけ。 空は一人で飛龍家に遊びに来たりする。 俺の書斎には空の興味をそそるような ヨーロッパの建物の写真集がある。 それをよく見に来る。 本当 息子ができたみたいで俺は嬉しかった。 「最近、どう?」 「何がっすか?」 「海羅」 空は思い出し笑いをして、 顔がにやけている。 「最近は甘あまですね」 そんな空はすごく幸せそう。 「変わったよな、海羅も」 「ですね」 「空の勉強の方は?」 「俺は、あまり?」 「なんだよ? 留学したくなっちゃった?」 空はぎょっとして目を丸くした。
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