0人が本棚に入れています
本棚に追加
苺ショートを食べる時は
上にのっている苺は最後に食べる。
好きなものは最後に食べる派。
果物の中で苺が一番好きらしい。
だから最後に食べるんだって
前に聞いたことがあった。
空はチラチラ海羅を盗み見ている。
何かをしたいけど、躊躇っている感じ。
俺はその光景を見ていた。
その時、空のフォークが
海羅の皿にのっている苺を捕らえた。
おい、馬鹿!
なんて言う間もなく、
「もーらいっ」
海羅が最後に食べようと
思ってとっておいた苺は一瞬のうちに、
空の胃に納まった。
あー…。
口をパクパクさせて空を見ている海羅。
ガタン!!
海羅が椅子を立ち上がった。
その拍子に椅子が倒れた。
「空の馬鹿!!
なんで食べるの!?
最後に食べようと思ってたのに!!」
海羅は血相を変えて怒っている。
「はぁ?キライなんじゃないの?」
キライなら苺ショートは食わないだろ?
心の中でつっこむ。
「私が苺好きなこと
知ってるでしょ!?」
「そーだっけ?
いいじゃん、苺1個くらい」
空は冷静に椅子に座って、怒っている海羅を見上げている。
「良くない!!
空なんて大キライ!!」
おい。
「俺だって海羅の事、
大キライ!! 」
おいおい。
それが今、目の前で起こっている。
えっと……
これは止めたほうがいい?
ギャーギャー騒いでいる空と海羅。
苺1個を巡って大喧嘩。
最初のコメントを投稿しよう!