小さな蕾

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俺は二人のやりとりを 飯を食いながら静かに見ていた。 「したよね?海斗?」 「………しました」 海羅の威圧に負け、素直に白状する。 こいつもシスコン。 俺も……シスコン……。 「じゃあ、何で減らすどころか増えてるの?」 海羅は海斗の眉についているピアスを指さした。 「………えっと……空が……」 “空”って言葉に俺と海羅は見合わせた。 「空がどーしたの?」 海羅は海斗の肩を掴んで、 やさしい声で聞いている。 下を俯く海斗。 海羅からは逃げられないぞ? 「……空が…開けたほうがかっこいいって言ったから ……あは」 空ぁ……。 お前はなんて事を海斗に言ってくれたんだ!
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