小さな蕾

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ガチャ……ドタドタ……バン! 「おっすー!来たよ~」 髪の毛は茶って言うか金髪。 耳には耳たぶが千切れそうな勢いで 大量の重たいピアス。 口にもピアス。 そして……眉にもピアス。 (またピアスホール増やしたな?) 俺と海羅の実弟の海斗がズタズタ入ってきた。 「ねぇ~ちゃん!!」 海羅を発見した海斗は 包丁を扱っているにも関わらず後ろから抱き締めた。 「ちょ、ちょっと! 危ないって!」 海羅はあたふたしながら、 包丁を置いて腰に回ってる海斗の手を解いた。 「良いじゃん、 ケチー」 海斗は頬を膨らませた。 「お前なぁ…いい加減止めろ!!」 俺は海斗の襟足を掴んで 台所から遠ざけた。 「いってーな、クソ兄貴!!」 不満な海斗は持ってきた荷物を放り投げ、 勢い良くその場に座った。 全く、この弟は……。 「タバコ吸うなって言ってるだろ!」 今、まさにタバコに火を 付けようとしていた海斗。 俺はそれを取り上げた。 「んだよ、けちー」 「アホか!! 未成年が吸うな!」 俺はボカッと海斗の頭を叩いた。 「いってぇー」 と頭を抱え込む海斗。 こいつは何度言っても 分からないからな……。
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