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「できたよー!」
「待ってました!!」
海羅は台所から料理を持ってきて、
海斗はまだかまだかと首をのばして待っていた。
俺たち3人は小さなテーブルを囲って座った。
きょうだいで飯を食べるなんて
こんなにも楽しいもんなんだな。
「いただきまーす」
俺たちはワイワイ食べはじめた。
「ねぇちゃん、
俺にいつピアス買ってくれんの?」
海斗は大キライなピーマンを避けながら
海羅に満面の笑みで聞いている。
「海斗。子供じゃないんだから、
ちゃんとピーマンも食べてよ!」
海羅は海斗の質問には答えず、
避けられたピーマンを指さして
何事もなかったように食べている。
「食ったら買ってくれるの?」
はぁーと深いため息をついて、海羅は箸を置いた。
「あのね、海斗。私との約束覚えてる?」
くりくりした目を海羅に向けた。
「俺、何か約束してたっけ?」
「ピアスホール3つ減らしたら買ってあげるって言ったよね?」
「約束したっけ?あはっ」
とぼけてるつもりだろうけど……
覚えてることがバレバレ。
目が軽く泳いでるもん。
「約束したでしょ!?」
「……」
海羅と海斗を見ていると、
姉弟というより、
親子みたい。
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