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「まだぁ~?」
痺れを切らした架南はリビングからキッチンに戻って来た。
「もうちょっと」
「フレンチトースト?」
フライパンの上でジュージュー音を立てている食パンたち。
「キライ?」
「大好き!」
食パンが余っていたから
フレンチトーストにしただけ。
「わぁーい、わぁーい」
架南は喜んでくれる。
架南は全く料理ができない。
でも俺は料理が好きだから、
ちょうど良くバランスが取れているのかもしれない。
「何枚食べるの?」
ここが問題。
さっきは一斤じゃ足りないと騒いでいた。
きょとんとして俺を見る。
「一枚でいい」
はぁ?
一枚だと?
「一斤じゃ、
足りないんじゃなかったの?」
「あー。うん」
下をむいて足を擦りあわせている。
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