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「俺たちは“儚い者たち”」
「うん」
お互いが見つめ合って自然と唇を重ねる。
「好きです」
そんな言葉をそっと零す。
海羅の言葉は俺の心の奥深くに刻まれる。
「今日の飯は?」
「あーーー!!!!火付けっ放し!!」
きゃーと言いながら海羅はキッチンにむかった。
ここ何年かの海羅は壁がなくなって素顔を見せるようになってきた。
付き合う前なんて俺をバイ菌のように払い除け心に入ることを決して許さなかった。
弱さなんて見せなかった。
俺だけに限った事じゃない。
誰にも心は開かなかった。
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