7人が本棚に入れています
本棚に追加
その中で唯一心を開いていたのは、海羅の双子の兄の中幡海季。
海季は俺の高校時代からの友人でもある。
今の海羅はちょっと抜けてるところはあるし、これが本当の素顔なんじゃないかなって思う。
俺にはちゃんと海羅のすべてを見せてほしい。
「ごめん、ごめん。ちょーっと煮込みすぎちゃった」
舌を出して謝る。
俺の前のテーブルに出されたのは美味そうな肉じゃが。
よくおふくろの味とか言うけれど、俺にはその味が分からない。
俺を捨てたことで両親を恨んではいない。
別に会いたいだなんて思ったこともない。
海羅も本当の両親とは一緒に暮らしていない。
幼い頃に飛龍家の養女になった。
最初のコメントを投稿しよう!