お互いの苦手Ⅰ

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「空ぁ~早く~!!」 まるで子供のように、いや、子供だな…。 海羅はぴょんぴょん跳ねて俺を呼んでいる。 遊園地に着いたとたん、はしゃぐ。 よっぽど遊園地にきたかったのか? 無邪気にはしゃぐ海羅はかわいい。 また海羅の違う一面を見つけた感じがした。 ちょっと心配してたけど、無駄な時間だったかな? 海羅はまだかまだかと待っている。 慌てなくても今、行きますよ。 「そんな急ぐなって!遊園地は逃げないんだから」 「だってぇ」 しゅんとする海羅の手を取った。 海羅といる時間は俺にとって本当に大きいものなんだ。 昨日言っていた海羅のワガママは遊園地に行くこと。 全然ワガママじゃねーじゃん。 もっと……こう……あれ買って!これ買って!かまってくれなきゃ嫌! そう言ってくれればいいのに。 普通の恋人がするような事が海羅にとってワガママらしい…。 どんだけ謙虚なんだよ。 ただのデートじゃん。 ただの遊園地デート。 ワガママなんかじゃない。 俺と手をつないで歩いている海羅は終始笑顔が耐えない。
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