どんなに頑張っても

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「うん!今すぐ行くね~」 さっきの喧嘩がなかったかのように、さくらは嬉しそうに話し電話を切った。 そして、私を見てにっこり笑い「今から空とデートだから」と、 携帯を閉じカバンを手にとりドアのほうに向かって歩きだした。 デート? 何、それ……。 嫌だ。 嫌だよ、空…。 「ちょっと待ってよ!」 私はさくらのあとを追い掛けようと走った。 ドアのところでドンと誰かにぶつかった。 「あ、すみません」 私は頭を下げて謝った。 早く行かないと……。 私は急いでぶつかった人の横を通り過ぎようとした。 でも、グッと右腕を捕まえて引き寄せられた。 顔をあげると翔太くんが見ていた。 「さくらも海羅ちゃんもそんなに慌ててどこに行くの?」 「……なして……」 「え?」 「離して!」 私は翔太くんの腕を振り払った。 だけど、しっかりと私の腕を掴んでいて離れない。
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