7人が本棚に入れています
本棚に追加
「離して……」
私はもう一度翔太くんに言った。
「こんなに泣いてる子は離せないよ」
私は頬を伝う涙を拭いた。
「泣いてなんかないよ」
「泣いてんじゃん」
「泣いてない!」
「また彼氏?」
「…」
言葉に詰まった。
私の頭の上からは深くて、長いため息が降ってきた。
「もう、やめれば?」
“空なんてやめろ。”
「そんなに辛い想いしてまで付き合うことないんじゃないの?」
辛いならやめればいい。
分かってる。
そんなことは昔から分かってる。
だけど「空は私の全てなの。空じゃなきゃ、私は嫌」
はっきりと翔太くんに言った。
空と過ごす時間が私の全て。
私が歩む人生には空が必要不可欠なの。
最初のコメントを投稿しよう!