どんなに頑張っても

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「もう決めたんだ。イタリアに行くって。 海羅と……しばらく離れなきゃならない」 「うん」 「ごめん」 「ううん。私は空にちゃんと夢を叶えてもらいたい」 「ありがとう」 好きな人の夢なら精一杯応援する。 夢を潰したくない。 「なぁ?」 「ん?」 「この指輪どーする?」 空は手のひらには大小2つの指輪が乗っていた。 「ねぇ、空」 「ん?」 「なんでさくらが指輪をしてたの?」 「は?」 「は? じゃなくて、なんでさくらが私の指輪をしてたのって話」 「さーちゃんが指輪してたの?」 「うん。空は私の彼氏とまで言われたんですけどね」 「見間違い、聞き間違いじゃなくて?」 「ずっとしていた指輪を見間違えるはずないでしょ? 世界に一つしかないんだから…」 見間違えるはずなんてないんだ。
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