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「だよな……。
俺、預けてただけなんだ。
指輪を見るたびに海羅のことばかり考えちゃって…指輪がなくても考えちゃうんだけど…」
空は手のひらの指輪をコロコロと転がした。
「そっか」
「それにさっき俺、さーちゃんに告られたんだけど」
「うん」
「あ、もちろん断ったよ」
空はあわあわと慌てて、手を横に振った。
「知ってるって。聞いてたもん」
「そっか。指輪…どうしよっか。
嫌だよね、他の人がした指輪なんて」
正直言って……「うん、嫌」
折角の二人だけの指輪を他の誰かがするのは良い気はしない。
例え、仲が良い友達でも嫌。
私たちの時間を壊された感じがするんだ。
でも……また指にはめる事はできないけど、捨てることのできない大切な指輪。
「よし!新しいの買いにいこ!」
「えっ?」
空はぐいぐい引っ張って先を歩いていく。
「ちょっと!」
「待ったなし!」
そういった空は絶対に言うことを聞いてくれない。
有無を言わさず空に連れていかれた。
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