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「空!」
「いいから、いいから~」
空は私の手をしっかりと握り締めた。
「どこに行くの?」
「指輪が買えるところ!」
空に聞きたいことは山ほどあった。
距離を置いている間、どういうことを想い、何を考えていたのか。
私たちが距離を置いたことが果たして良い結果をもたらしたのかな。
距離を置いて、私は空がいないとダメだってはっきり気が付いた。
想いが強くなるばかりだったんだ。
私たちは街を歩いていた。
小さな路地を入ると目に入るのは赤と白がベースのお店。
空は迷いもなくそのお店に入っていこうとする。
「ち、ちょっと、空!」
「あん?」
私はグッと空がお店に入るのを阻止した。
「本気でここで買おうとしてるの?」
「そーだけど」
「このお店って高いんだよ?知ってる?」
「ご心配なく。
何も考えたくない時期にバイトを詰め込んでたから~」
「そーじゃなくて…他の店にしようよ!」
「嫌なの?」
シュンとした顔を私に見せる。
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