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次の日には久しぶりに空と一緒に通学した。
空と一緒に通るキャンパスは色を付けて輝いて見えた。
空といるだけで違った世界が見える。
空が背負っているものを二人で一つずつ解決していくんだ。
空は…イタリアへ行くと言ってた。
進路のこともしっかり自分で決めた。
それを応援する。
でも…やっぱり淋しい。
卒業と同時に空はイタリアへ行く。
一緒にいられる時間はあとわずか。
私は繋いでいた手にさらに力をいれた。
「ん?」
それに気が付いた空は繋いでいる手と反対の手で私の頭を撫でた。
空は私が思っていることがわかるんだ。
私の気持ちに空は気が付いてる。
だからあえて何も言わないんだ。
私が行かないでって言えば空は……迷う。
決心が鈍る。
だから言わない。
言えない。
一緒にいたい。
だけど、それは私のわがまま。
今までずっと空と一緒にいたんだ。
応援しなきゃ。
好きな人の夢を応援する。
私がしなければならないこと。
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