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「ちょっと、空！手、洗ってきてよー」
海羅は鍋を掻き混ぜながら、洗面所の方を指差した。
「はいはい」
渋々重い腰をあげて洗面所で手を洗った。
決めたことを迷っても仕方ない。
書類だって教授に渡しちゃったし。
俺は冷たい水で顔を洗った。
鏡に映っている自分がなんか嫌だ。
淋しい。
そういう顔をしている自分がいた。
俺はその鏡に水をかけて、リビングに戻った。
「ちゃんと洗ってきた？」
「洗ってきましたー」
俺は海羅に両手を見せた。
「本当に～？」
「本当っ。早く食べよ～」
俺は海羅の前に座る。
食欲をそそるようなものばかりが並んでいるテーブル。
栄養も偏ってなくて、うまそうなものばかり。
「いただきまーす」
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