Chapter Ⅲ ~第三章~

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再度至近距離で拓真の顔を見ることになった帝は、今度こそ顔が赤に染まっていくのを感じた。 慌てて下がろうとしたがしかし、その前に拓真に顔を見られてしまい、拓真の目が驚いたように見開かれるのをみた。 「竜宮寺、おまえ・・・」 確かめるように言葉を発する拓真に、なんと答えるべきか、生徒会の書類を処理するとき以上かもしれないスピードで頭を回転させていると、拓真は最後の一言を言い放った。 「そんなに驚いたのかぁ?顔が真っ赤じゃないか」 「・・・は?」 まるで、小さい子供でも見ているような目の拓真に、そんなんじゃないとか、わざわざ言うな、とか、返そうと思っていた言葉が全部引っ込んでいった。 「・・・いや、だいじょうぶ、ですから。ありがとうございました」 「ん、そうか?ならよかった」 「・・・はぁ・・・」 あまりに見当違いなことを言う拓真に、固くなっていた体の力が抜けていくのを感じた。 そして、次の瞬間、帝を見ていた誰もが驚いて目を見開いた。 帝が、力が抜けたように、ほっとしたように笑みをこぼしたのだ。 転入生が来てから、いや、それ以前からめったに見られなかったのに。 _
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