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しばらく黙っていた帝は、一度大きく息を吐き出す。
そうすることで落ち着きを取り戻したのか、先程よりは怒りのない表情で双子を見つめる。
しかし、口を開くとまた声を荒げてしまいそうで、眉間に皺を寄せたまま何も言わない。
またもや沈黙が場を支配しかけたとき、苦笑しながらとうとう拓真が口を挟んだ。
「取り敢えず、話を整理しようか。・・・今日、君達は今までの仕事放棄のことを謝りに来た。それは間違いないな?」
そう言いながら双子に目を向けた拓真は、頷いた双子を見て今度は帝に目を移す。
「だけど、竜宮寺はその理由に納得がいかない。だな?」
帝もまた頷きを返す。
そこまでを確認した拓真は、「さて、」と双子の目を見た。
「それじゃあ、竜宮寺は何が納得いかないんだろうな?」
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