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「だって、わざわざ断るほどやりたくないわけじゃなかったし、」
「生徒会の優遇措置があれば、二人一緒に居られるし・・・」
その言葉を聞いて、帝はさらに眉間の皺を深くし、さらには拓真までもが眉を上げた。
「ふぅん・・・。つまり、生徒会の特権欲しさに、何となく引き受けた、と」
「チッ!・・・それで今は仕事すらしねぇとは、いいご身分だな」
とうとう舌打ちを零し、忌々しそうに吐き捨てた帝は、最早興味も失せたと言うように立ち上がり、自分のデスクに戻ってしまった。
さらには「その二人の処分は西園寺先生に任せます」と言い仕事を始めてしまう。
拓真も、流石に引き止めずに苦笑いで見送る。
ショックを受けたように帝を見る双子は、どうすればいいのか分からなくなり、縋るような目を拓真に送った。
それを受けた拓真は、一つ溜め息をこぼすと真剣な眼差しで口を開いた。
「いいか?今回俺がこの学園に来たのは、君らの職務放棄が原因だ。手っ取り早く解決するなら、君らをリコールするなりいくらでも手はある」
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