お絵描き

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「妹がね、僕の絵をみたいってせかすから」 かたちの良い薄い唇がわずかに微笑んだ。 それは男である山県も思わず息を飲むようなものであった。 「…おぬし妹がいたのかの?きっと美人にちがいない!!」 栄太郎は しまった と思ったのか眉間にシワを寄せた。 「…山田、皆には黙っておいてもらえないか?」 「山県じゃ!!それにしてもなんでじゃ?」 「…大事な妹だから。今は誰にも触れさせたくない」 「…へぇ」 山県は少し恐ろしく感じた。  
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