egg boy

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  ――――2011年6月29日 三重県鈴鹿市某道路上 俺は、道を歩いていた。 照りつける太陽はアスファルトに反射し、上からも下からも俺の皮膚を焦がす。 久々に仕事が休みになったと言うのに、外出したらこんな苦行の様な仕打ちを受けるとは……。 神様とやらも中々に暇人なのか、俺に対して残酷な気がする。 汗だくになり喉が渇いたが、目的地が行きつけの喫茶店である為に、今此処で水分を摂取する訳にはいかない。 近い場所に有るとは言え、たまには健康を考えて歩こうだなんて、馬鹿な考えをするからこんな目に遭うのだ。 現代人らしく楽な移動方法――――大人しくいつもの様に自転車で来るべきだった。 慣れないことはするもんじゃない。 そこまで考えて、ふと気になった。 今何故車ではなく、自転車を先に思い浮かべたんだろうか? 徒歩よりは幾分かマシでは有るが、自転車ではこの忌々しい太陽光線からは逃れられないのに。 何だか頭が回らない。 だが、それが堪らなく可笑しいと思う。 どうやら、暑さで脳がヤられてきた様だ。 そろそろヤバい。 まあ、前方に見える十字路を右折すれば目当ての喫茶店はすぐそこに有るから、もう大丈夫だろう。 今日はもう、涼しくなる夕方までぐだぐだして帰ろう。 ゆっくりと右折をし、50m程先に喫茶店の看板を確認する。 [egg boy]なんて、どっからどう突っ込もうか悩む名前の喫茶店。 味と品質は確かである為に、何となく勿体無い気がする。 普段あまり見掛けない内開きの扉を開けて入店する。  
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