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一方、涼と一真は…
織田兵を切り伏せながら
義元の側まで来ていた。
一真は涼の戦いぶりに
少々驚いた。
涼はその辺の兵より
遥かに槍を使いこなしていた。
縦横無尽に動くその槍は
織田兵の血で赤く染まり
矛先からは血が滴り落ちている。
最初は斬るのに
躊躇(ためら)いが
あった2人だが生き残る為に
覚悟を決めた。
「くっ…今川にこのような猛将がいたとは…!」
織田兵は涼に怖じけずいて
後退していく。
「怯むな!囲みこんで討ち取れ!」
織田兵は2人を囲もうとしたが
涼の槍がそれを阻止した。
同時に一真も斬り掛かる。
斬っても斬っても
織田兵は減る気配がなかった。
(これは不味いな…)
義元の方に目を向けると
既に数えられる程の兵しか
残っていなかった。
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