動き出した野心

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桶狭間で多くの兵と 優秀な下臣を失った 義元だったが未だに 上洛の野望は消えていなかった。 義元は再び尾張に 進攻すること決めた。 しかし、総大将が 敵前逃亡した為 下臣たちは不満を 抱き始めていた。 その不穏な気配は 岡崎城を包み込んでいた。 しかし、義元はそんな事を 察することなかった。 頭にあるのは信長の首を取る。 ただ、それだけだった。 「先鋒は泰朝に任せる」 義元は信頼する 朝比奈泰朝(あさひなやすとも) に先鋒を命じた。 泰朝は身を乗り出し、 「お任せください!」 と1人熱く燃えていた。 「それから…元康。お主は明日の明朝に兵を率いて敵の砦を攻めるのだ。」 義元が指名したのは 松平元康。後の徳川家康だった。 その言葉に下臣は 強く反発した。 「松平家の者に任せられぬ…!」 義元は下臣を落ち着かせると 元康に続けて言った。
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