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大名である義元が謎の死を
遂げた今、残された道は
岡崎城から撤退するか
全滅するかの二択だった。
そして、今川氏真がいない今
現時点での総大将は
朝比奈泰朝が適任であった。
「泰朝殿…ご決断を」
兵士もごく自然に泰朝を
認め、指示を待った。
「撤退はせぬ!ここは我々の城よ!守りぬく…!」
泰朝は義元の亡骸に布団を
被せると部屋を後にした。
歩きながら兵士に指示を出す。
「まずは体勢を立て直す。本丸には一兵足りとも入れるな!」
「それから、殿の死は知らせるな…。兵の士気に関わる」
「はっ!」
兵士は返事を返すと
急いで各部隊に連絡しに行く。
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