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二の丸からは
今川の雄叫びが
聞こえてくる。
元康はその声に
耳を傾けながら
本陣で策を練っていた。
傍(かたわ)らにいた
宿老の石川数正が口を開く。
「数で劣っている以上、一刻の猶予はありませぬ…」
元康は無言で頷くと、
「康政と直政は一の丸の守備に当たりつつ、敵を西門に誘導せよ!」
「「はっ!」」
「西門には忠勝、そちに任せる」
「御意!」
「各々、宜しく頼む…」
元康の命を受け、
各将は兵を率いて
陣を出ていった。
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