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その頃、二の丸では
義元死去の噂が兵の間で
流れていた。
「泰朝様…殿が刺客に暗殺されたと兵の間で噂になっておりますが…誠でありますか！？」
そう聞いて来たのは
今川家臣の庵原元政だ。
最後まで氏真を守ったと
言われている。
泰朝は俯き力無く
「誠じゃ…」
と言い返した。
「なっ…なんと…。では元康の手の者が…？」
「そう考えるのが妥当じゃろう。殿の死を流し、兵の士気を下げるのが目的であろう…」
元政は動揺を
隠せない様子だった。
拳を強く握り、
動揺は次第に
怒りに変わっていく。
「おのれ…元康…」
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