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(地獄耳か、こいつ…)
「拙者の聞き間違えかのう?」
(敵の強さも判らんのか…あほ侍め…)
元政は一真の前で
立ち止まると腕を組んで
返答を待っていた。
一真はどや顔の元政を
見てしまい思わず鼻で
笑ってしまった。
「なっ…何がおかしい!?」
元政は顔を真っ赤にして
今にも斬り掛かりそうだ。
「失礼…。元政殿でしたか?今川兵は三河武士より強いと思いで?」
「無論じゃ!!」
「そうですか…。三の丸、二の丸奪還合戦で今川の兵力は3000までに減りました。一方、松平の兵力はどのくらいか御存じで?」
「松平の兵力など知らぬわ!仮に松平が上でも恐れに足りず!」
「転がっている松平兵の数はざっと500程…。こちらが3000失っているに対して松平は1000…。これでも今川兵が三河武士より強いと…?」
元政は事実を突き付けられ
戸惑っているようだった。
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