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静まり返ったプラットホームで、買ったばかりでまだ温かい缶コーヒーのタブを開けた。パクン、と気持ちの良い音が、人気の無い辺りに響く。
俺の利用している駅は田舎にあるっていうせいもあって、十時過ぎのこの時間は、俺以外誰もいなかった。
しかも、次の電車は二十分後。
予備校帰りで、本当にダルイ。
(あーあ・・・)
ヤバイ。
また波が来てる。
あの、自分じゃどうしようもない、無気力の波。
こういう時に、真面目に何か考え出すと、全部がマイナスな考えになるし・・・
何だか虚しくなる。
だけど、普段じゃあり得ないくらい、真面目な自分になってしまうのが、この波の悪循環で嫌な所。
(俺・・・予備校行って、受験して。それで、将来どうするつもりなんだろ・・・)
言われるままに行っている予備校。
別に楽しくもなんとも無い。
かといって、勉強が出来ないとか嫌いだとかいうわけでもない。
(自分の事すらよく分かってないし。・・・はは、なんだよ。空っぽじゃん)
笑うことしか出来ない。
この先、はっきりした目標も無いまま、どんどん落ちていく自分が垣間見えたかのようで、怖くなった。
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