黄色い線

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(黄色い線、か・・・) 俺は、自分でも情けないくらい実は小心者だから、普段は絶対に黄色い線の向こう側を歩いたりすることはない。 黄色い線の向こう側は、自分のすれすれを電車が通っていくし、電車がいなけりゃいないで落ちそうで怖い。 絶対に越えてみたりしない。 けれど、この時俺はなんだかおかしかった。いつもと違う気分だ。波のせいかもしれない。 無性に、あの線の向こうを歩いてみたくなった。
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