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「こんにちは。私、本田姫菜。よろしくね。あなたの名前は?」
「あ…。わ、私は道長蜜柑と言います。よろしくお願いします。」
蜜柑は緊張している様子でポツポツと言った。
かわいいなぁー。顔を真っ赤にしてる。
「敬語なんていいよ。姫ってみんなからは呼ばれてるから蜜柑チャンも姫ってよんで。」
「はい…。」
蜜柑はにっこりと私に微笑んでくれた。
なんだか仲良くなれそうだな。
私の席は窓側の一番後ろの席で、窓からは校庭が見える。そこでは、授業を早く終えた先輩達が部活をしていた。
"私も早く部活に入りたいなぁ。料理部ってあるかな?"
そんなことを考えながら校庭を見ていたら見覚えのある姿が見えた。
"あ!!!電車の無愛想男!!アイツこの学校だったんだ。しかも、先輩だし。アイツ陸部なのかな?…あ。順番きた。走るんだ。"
ピストルが鳴り響き、アイツが走り出した。
私はアイツの走り姿に釘付けになった。
フォームがめちゃくちゃ綺麗でしかも速い。
それに、走ってる時の顔がキラキラしてる。
出会った瞬間から大嫌いだったはずなのに胸のドキドキが止まらなかった。
私、一体どうしたんだろう!?
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