恋?

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「あー、まだでしたね。高1、本田姫菜です。あ、ちなみに得意なことは料理です。」 「いや、そこまで訊いてねーし。」 「後から訊くんでしょ?」 私はにっこり微笑んで言った。 「いや、訊かねーし。(笑」 初めて笑った顔を見た。 なんか胸きゅんってして苦しくなった。 「…陸人…?」 その時私の背後から先輩っぽい女の人が来た。 わ。凄い綺麗…。 大人っぽいな――…。 「木田。」 陸人先輩はその人の苗字を呼んでいた。 「陸人。顧問が呼んでたょ。」 「わかった。」 ――クラスメイト…?―― 親しげに話す2人を見て胸がチクリとした。なんで? 「あ。ごめんなさい。陸人と話してたのよね。」 女の人が私に話しかけた。 「あ…いえ。」 「あなた、一年生?」 「はい。」 「そう。入学おめでとう。私は木田くるみ。2年よ。よろしくね。」 くるみ先輩…と言った女の人は優しく微笑んだ。 やっぱり凄い綺麗だ。 「ありがとうございます。よろしくお願いします。私は本田姫菜です。」 「…あ。もしかして、姫菜ちゃん?今日、陸人が"変な奴が階段から落ちて来た"って。」 「余計なこと言うなよ。」 陸人先輩は文句を言いながらも優しい顔をしていた。 私の中に、ふつふつと疑問が沸き上がってきた。
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